10万円からはできる投資方法のカタログを紹介
10万円あれば、投資に挑戦できます!以前に証券会社に勤めていた際に実際にお客様にご案内していたこと、ここだから言える「立場上は言えなかったけどすごくお勧め」という方法について書きました。これから投資を始めてみようという人はぜひ参考にしてください。
10万円からの投資で起きる「イイコト」
アベノミクスという言葉が定着して、しばらく経ちました。
「そんなの、投資をしているわけじゃないから関係ない」という意見も耳にします。ですが、投資をしている人もしていない人も、実際には全ての人が景気の影響を受けているのが実際のところです。たとえば、スナック菓子の中身が減ったとか、久しぶりにファミレスのセットメニューが高くなっていたですとか、そういった変化を感じ取る経験はありませんか。
資産が増える以外にも、投資を始めるとこういった変化を感じ取った上で、生活でプラスに活かせるようになるメリットがあります。筆者は、投資を始めてから「原油がまだまだ安くなりそうだから、こまめな給油は控えるようにしていたら、最終的に安く給油できた」といったおトクなエピソードが増えました。
ただ、実際に投資をはじめようと思っても、何から取りかかればいいのか分からない!という相談もよく受けます。具体的にどうすればいいのか、順番にお話していきますね。
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投資をはじめる前の、心構えと準備
やってみたいと思ったときがやるときです!
ただ、やみくもに行動しても、それがいい結果をもたらすとは限りません。
まずは、損しないための考え方を抑えておきましょう。
お金に名前をつけましょう
投資をはじめてみようかなと思ったとき、まずは自分の資産を確認する作業をします。
銀行の残高を見て、目先の生活資金や医療費、大きく出費する予定があればその分を差し引きます。そして、5年先に使う予定のないお金がいくらあるかを確かめてみましょう。
たとえばそれが50万円でも200万円でも、まずは10万円とか、資金の一部からはじめることが重要です。投資額を増やすのは、値動きのある商品がどういうものかに慣れて、商品や周辺情報についての理解を深めてからでも遅くはありません。
「リスク」と「リターン」を知りましょう
「リスク」という言葉に、どんなイメージを持っていますか?一般的には、危険であるとか、怖いものであるとか、そういう回答をされる方が多いかと思います。
では、投資における「リスク」とは何を指すのでしょうか。答えは、投資した結果が不確実であることです。「高いリスクをとれば高いリターン(報酬)が見込める」「リスクが低い投資をすればリターンも控えめになる」という傾向があるため、投資をする場合、リスクの多寡はそれぞれ自分で選択、調節できるものとも言えます。
日本人は現状維持を好む傾向があるという話ですから、何か選択をする際にはより確実性が高いものが選ばれやすいかもしれません。ただ、2016年1月に日本銀行がマイナス金利の適用を発表するなど、預金するメリットがさらに薄れた現代の日本では、資金の一部でリターンを狙っていくことを検討してみてよいかもしれません。
リスクとリターン - 投資信託協会
投資信託協会(2016年2月、著者調べ)
10万円から投資できるモノって?
それでは、具体的な投資対象について考えてみましょう。
変動少なめ!日本円建ての債券
まずは投資しても元本の値動きが少なめのもの、債券からお話します。
債券は、国や地方自治体、企業などが資金の調達をするために発行するものです。国内外で満期を決めた上で発行され、さまざまな投資家が投資した資金で事業がなされます。満期償還までの間、企業は投資家に利子を払います。満期と利子があらかじめ決まっているものがほとんどという意味では、定期預金に預けるのと似ているところがあるかもしれません。
たとえば、企業や政令指定都市などで定期的に債券が発行されます。国債よりは金利が高いものが多いこと、自分の資産がお住まいの自治体で使われるのがいいという意見もあることから、人気が高いです。
債券を買うかどうか検討するとき、一番注意したいのは「その会社が倒産しないかどうか」です。倒産されると、投資資金が返ってこないか、一部しか返ってこなくなってしまうかもしれないからです。そういった事態を避けるため、必ず「格付け」をチェックしましょう。専門の会社が債券発行会社の財務等をチェックし、投資対象として適格かを確認してくれています。
そして、もう一点。通常の債券は満期まで保有すると、10万円買えば10万円がそのまま返ってきます。ただ、満期までの間は市場の影響を受けて元本の値段が上下するため、10万円で買ったものが98,000円になったり102,000円になったりします。通常、株式に比べると、値動きは控えめですが、そういったリスクを避けたければ、満期まで持つことを前提にするのが間違いないですね。
債券については以下の記事で詳しく説明していますので、ご興味を持たれた方は参考にしてみてください。
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【初心者必見】債券投資は必須!?効率よく資産を増やす方法3選| 債券投資には、株式や投資信託とは違った側面を併せ持っています。そこで、株式や投資信託だけでなく、債券投資も組み合わせる事により、より効率よく資産を増やしていくことができます。初心者でも分かりやすいように、詳しく債券投資のメリットについて解説していきます。
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日本の未来を作る!個人向け国債
日本国内で発行される債券で、私たちが一番よく目にするのは、日本国が発行する「個人向け国債」ではないでしょうか。個人向け国債は保有する年ごとに10年(金利が毎回変わる)、5年と3年(金利が発行時から固定)があります。いずれも最低0.05%の金利保証つきで、安心です。
正直な話、個人向け国債は金利自体より、証券会社でキャンペーンがあれば、そちらでもらえるキャッシュバックが一番の実入りになることもあります。買い付けを検討する際は、そういった施策があるかどうか、またある場合には複数社で比較してみることをおすすめします。
国債については以下の記事で詳細にまとめています。
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利息が高いのに安全?個人向け国債を定期預金の代わりに使おう!| 国債とは、国が発行している債権のことです。債権は100万円貸せば100万円に利子を付して還してもらえるという特徴があります。つまり、返還額は目減りしない、その上、預金よりも金利が高いのが特徴です。定期預金の利息が低い今、債権での資産運用はいかがでしょう?個人向け国債は1万円から運用できます。
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個人向け国債
(財務省、2016年2月筆者調べ)
外国通貨建ての債券
「国内の債券もいいけれど、日本の金利はやっぱり低い。もう少し高い金利をもらう方法はないかしら」という時に検討してみたいのが、外貨建ての債券、略して外債です。
経済がぐんぐん成長しており、景気のいい国は金利がいいです。たとえばバブル前夜、昭和55年4月の日本では、ゆうちょの10年定期が11.91%だったと言います。あの頃の日本の活気を現在持っている国の通貨を利用すると、そういった高金利の恩恵を受けることができるようになります。
証券会社や銀行では、アメリカやオーストラリアといった先進国から、インドやブラジル、南アフリカのような新興国の債券まで取り扱われていることがあります。その時々の債券の発行状況は金融機関側の在庫状況は変わりますが、発行元が世界銀行など信頼の置ける大きな組織の取り扱いが多いため、お金の預け先として信用できます。
最後に、外債のリスクについて確認しましょう。
日本の債券と同じく満期まで持たないと価格変動で元本が上下する恐れがあります。
それに加え、為替も常に変動しますので、その部分でリスク・リターンが発生することがあります。この部分については次項にて紹介させてください。
為替への投資、4つの選択
・雑誌の広告等でもおなじみのFX
・銀行での取り扱いがあるため気軽に利用しやすい外貨預金
・証券会社で外貨MMF
・外国債券
為替関係に投資をしてみよう!と思った場合だけで、いくつかの商品が挙げられます。
外貨預金は銀行での取り扱いがあるのではじめやすいでしょう。また、証券会社に口座を作ると外貨MMFも簡単に利用でき、金利も高いのでおすすめです。手数料にこだわる方は、FXが抜群にお得です。それぞれ、とっつきやすいものを利用してみるのがいいと思います。
そもそも為替とは何なのかという話ですが、たとえばアメリカと日本といった二国の間で、それぞれの通貨を交換しようという話になったとき、どれくらいの交換比率にするかを定めたものです。二国間での金利差や国力、需要と供給のバランスをとりながら、基本的には平日の間中ずっと動き続けています。(中東では一部休日も取引されているようですが、それは例外ですね。)
ドルを買って利益を得る場合、円高(たとえば1ドル100円)の時にドルを買って、円安(たとえば1ドル110円)になってから売るだけです。逆に、買った時より円高になってから売るとその分は損になってしまいます。買いたい通貨がある場合は詳しい人に相談するか、しっかり調べてからの買い付けをおすすめします。
FXでは、投資金額の数倍のお金を使って投資できる「レバレッジ」が利用できますが、まず投資をはじめてみようという段階では利用しないのがベターです。大儲けできる可能性もありますが、投資額以上の損失が発生し、大損してしまうことがあるためです。そういったサービスの利用はぜひ十分慣れて、リスクを許容できるようになってからが良いと思います。
自分のレベルや取引スタンスをもとに、こだわってFX業者を選ぼう!
楽しみいっぱい!日本の株式
「株主になるのは金持ちの特権」なんて誤解されがちですが、株を買うのに大金は必要ありません。
株を買うと、投資した金額の値上がりを楽しみにしながら、配当のある銘柄であれば年に1-4回それを受け取れます。投資金額自体は毎日上下するので、毎日取引するデイトレーダーになるのでなければ、株価自体には気をとられすぎず、配当を長い目線でもらい続ける気持ちで長期保有するのがおすすめです。
以下に配当を毎年増やしている企業のランキングへのリンクを載せますが、配当を増やせる=基本的に経営が上手くいっている ということなので、一般的には比較的安心して株主になれると考えて良いのではないかと思います。
「連続増配年数が多い」400社ランキング
参照元:東洋経済オンライン(2016年2月、著者調べ)
また、銘柄によっては株主優待をもらえ、生活がちょっと楽しくなります。
証券会社で営業をしていて、10万円以下で買える株の中で人気があったのは、ドレッシングの「ピエトロ」や、「タカラトミー」の優待のミニカー、地方スーパーの優待券などでした。銘柄をおすすめするわけではありませんが、ご参考まで。これ以外にもカタログギフトやドリンク詰め合わせなど、わくわくするような優待がたくさんあります。気になる方はぜひ調べてみてください。
【10万円以下で買える株主優待!】高利回りでしかも大人気の銘柄がゾロゾロ。最低2万円台!10万円以下の株主優待株ベスト30とは?|株主優待情報[2016年]|
参照元:ザイ・オンライン(2016年2月、著者調べ)
最後に、株式投資のリスクについて。
債券と同じく、株を発行している会社の経営状態等によっては株価が上下して、損失をこうむる可能性があります。最悪の場合は倒産することがあります。株主になると、定期的にその会社から経営状態の報告書などが届くので、しっかり確認するようにしましょう。
また、銘柄によっては配当が出なかったり、配当の金額が上下したりする場合もあります。優待も同様に、内容の改正や撤廃がされることもあります。こちらに関しても、リスクとして認識しておくのが間違いないです。
多彩な投資先が魅力、投資信託
投資家から集めた資金を使って専門家がチームを組んで運用し、儲けが出た分を投資家に分配するという商品です。具体的には、世界中の株や債券をはじめ、商品によっては原油やダイヤモンドといったモノや、複雑な金融商品が組み込まれることがあります。
銀行や郵便局、証券会社などに口座があれば買うことができます。投資をしてみようかな?と思ったとき、手を出しやすい商品のひとつではないでしょうか。
銀行や郵便局では、投資をしたことのない方向けに、しくみの分かりやすい商品を扱っていることが多いように感じます。一方、証券会社では、取り扱いの銘柄が多いため、幅広い投資対象の中から好みの商品を見つけやすいかもしれません。
投資信託の初心者向けの書籍などを読み、筆者は手数料の低い商品をとにかく勧められる印象を持ちました。確かに買付け時に手数料がかかるものとかからないものがあり、そういったコストは安いに越したことはありません。ただ、コストが安くリターンが低いものより、多少コストがかさんでも時流に乗って大きく利益が上げられるような商品もあります。どうかコストに惑わされすぎませんよう。
そして、投資信託は、保有者が多いからこそ、検索でいろいろな情報が手に入ります。たとえば下記のサイトでは指定の時期ごとに運用成績を比較でき、その時々のトレンドなども把握可能なため、便利です。
投資信託については以下の記事で初心者の方に向けて分かりやすく説明していますので、詳しく知りたい方はご活用ください。
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《投資信託の仕組み》イマイチ始める勇気がない初心者へ!スッキリ解説| 資金運用の一つである投資信託。《投資信託の仕組み》とは、証券会社や銀行などの販売会社が多くの投資家から資金を集め、これを一つにまとめて大きな資金で(信託財産)にして専門家(投資信託委託会社)が運用します。投資信託とは何なのかから仕組みまでを解説します、また、投資信託をはじめるのにあたり知っておいたほうがいい用語の純資産総額、基準価格、騰落率も説明しました。投資信託の仕組みがしっかりわかります。
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[ ファンドランキング‐リターン‐] ‐投資信託ランキング
モーニングスター社(2016年2月、筆者調べ)
まとめ
10万円から投資できる商品は、紹介しきれないほど存在しますが、その中でもとっつきやすいものをいくつか紹介させていただきました。
最後に、おすすめしたい方法です。商品を「さあ買ってみよう!」と思ったとき、複数の金融機関に相談し、他社商品について品評してもらえると一番いいです。営業マンは自社の取扱商品を売るために色々な営業トークを展開します。自分に都合の悪いことは話してもらえない恐れがあるので、他社の人に話してもらえると、本当の商品の利点と難点が見えてくるかもしれません。
さて、リスクをどれだけとれるかというのは、実際のところ一人ひとりの状況によって断然異なるかと思います。少しでも値下がりの可能性があるなら増えなくてもいいといった考え方の方もいれば、少しくらい元本が目減りしても、長い目で回復や値上がりを待っていればいいやという考え方の方もいるでしょう。それはどちらも間違いではありません。
また、年齢が若くて働いている方や、投資スタート時の資産が多い方ほど、リスクをとって投資しやすいかもしれません。万が一、投資したものが値下がりしてしまっても、経済は浮き沈みを繰り返すもの。待ち続けると絶対に何とかなることばかりではありませんが、待っていれば値上がりして利益になることもあるからです。
お金は大事です。だからこそ、これからの人生、上手くつきあっていけるといきたいですね。
公開日:
最終更新日:2017/01/24