為替損益計算の徹底練習!fxで使うpips
fxで良く使われる「pips」は為替取引で使う最小単位です。しかし取引の小数点以下が3桁や5桁になっているのを良く見るようになりました。従来2桁や4桁だったのが1桁増えたのです。そのおかげで為替レートは数字が増えて見にくくなりpipsの計算が面倒になりました。本来為替計算を簡単にするはずのpipsが日本人には不向きな面もあるようです。今回は基本的にドル/円のpipsを徹底的に練習してみましょう。
fxのpipsとは
pips(ピップス)とは為替相場の値(刻み値)の最小単位のことで「ピプス」と呼ばれることもあります。pipsはあくまでも値の単位であって取引単位と間違いやすいのですが、例えば取引単位は1万通貨という言い方になりますがちょっとややこしいですね。
FXをしている人の中には1pipsを1ポイントなどと言う方もいますが同じ意味です。他にもピップスを省略しピプと言う方もいますね。実のこところpipsの存在は為替取引において取引単位に比べさほど重要な言葉でもありません。知らないからといって売買することができないかというとそうでもなく、できれば知っておいた方が何かと都合が良いためFXをやるからには一応知識として覚えていることが望ましいでしょう。
取引通貨ペアをドル/円で考えるとpipsの意味が少し分かりやすくなりますので例としてご説明します。良くニュースなどでも「本日の為替は1ドル、112円13銭から25銭」などと聞いたことがあると思います。日本円の場合、銭や厘といった単位がいまだに使っているため「112円13銭」と言いますが、これをドルで表せば「112.13」と小数点を付けて表示しますね。
為替はこのように0.01刻みで値が上下しこの0.01のことを1pipsと言います。日本人だと「1銭」のことかと考えるところですがそれはドル/円の取引の場合だけで他の通貨には1銭という単位はありません。
仮に1pips上がったというときはドルの値が112.13から112.14に変わったことを言います。逆に2pips下がったというときは112.13から112.11になったことを意味します。
FXの取引で「今日は+5pipsだったよ」という会話のやり取りがあればその方は5pips利益が出たということです。そしてこの方の取引量が1万通貨なら0.05x1万通貨=500円、10万通貨なら5,000円の利益ということですね。
またFX業者の手数料にあたる「スプレッド」が2pipsと決まっている場合は売買するときに2pips分差し引かれてしまうことも覚えておきましょう。せっかく+5pipsだと喜んでいてもそこから2pips差し引かれ結局+3pipsとなってしまいます。
ですので、利益を出すために出来るだけスプレッド(pips)が小さい会社を選ぶことが重要でしょう。
FX会社人気5社を比較!リスクを抑えて利益を追求できるのはどこ?
また-3pipsで損切したとおもったら手数料2pipsを加算され-5pips損益が出ることにもなってしまいます。たかが1pips=0.01と思っても取引通貨量が10万通貨になると結構大きな金額となってしまいますね。日本人は円の下に銭という単位があるためなかなかpipsの間隔をつかむのが難しいですが慣れてくればそれほどでもありませんので心配することはないですよ。
参考までに主な通貨の1pipsをご紹介します。
○/円の1pips=1銭
○/ドルの1pips=0.0001ドル
○/ポンドの1pips=0.0001ポンド
○/スイスフランの1pips=0.0001スイスフラン
○/オーストラリアドルの1pips=0.0001オーストラリアドル
○/ニュージーランドドルの1pips=0.0001ニュージーランドドル
pipsはFX取引における共通単位のことで、為替相場がどのくらい変動したかや利益や損失がどのくらい発生したのかなどの単位と考えましょう。なお、FXの基礎をさらに学びたいという人は以下の記事がおすすめです。
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fxのpipsと円
利益を計算してみよう
前項でもちょっと触れましたがpipsを円にして計算をしてみましょう。「今日の利益+1,000pips」や「-2,500pipsでした〜」と言いわれたときに「おーそれはすごいね」とすぐに反応してあげると相手もやる気がわいてくるというものです。逆に損した場合は「次頑張れよ」と励ますこともできますね。
○/円の通貨ペアなら1pips=0.01円(1銭)ですが、「+1,000pips」とはいくらになるのかは取引通貨量によります。一般的な最低取引単位は1万通貨となっているFX業者が多いです。となると1pipsは0.01円ですから1万通貨なら0.01円x1万通貨=100円になります。
◆1万通貨の1pipsは100円
これを知っておけば「+1,000pips」はいかに大きな利益かということがわかりますね。100円x1,000pips=10万円です。1日でこれだけ利益が取れれば個人投資家としては大変うれしいことに違いありません。逆に「-2,000pips」となれば100円x(-2,000pips)=-20万円ですから「お気の毒さま」としか言いようがないですね。
またFX業者では1万通貨のことを「Lot」という言い方をします。1万通貨は1Lot、5万通貨は5Lot、10万通貨は10Lotです。したがって「+1,000pips」が1Lotなのかそれとも10Lotなのかでまったく違ってきます。
◆1Lotの1,000pips
・1Lot(1万通貨)の1pipsは100円x1,000pips=10万円
◆2Lotの1,000pips
・2Lot(2万通貨)なら200円x1,000pips=20万円
◆5Lotの1,000pips
・5Lot(5万通貨)なら500円x1,000pips=50万円
◆10Lotの1,000pips
・10Lot(10万通貨)なら1,000円x1,000pips=100万円
金額だけを計算すれば大きな数字となりますね。しかし+1,000pipsは100円(1万通貨の場合)です。1円相場が動けば100pipsですから1Lot(1万通貨)の取引でも1万円の利益です。デイトレーディンで100pipsを10回抜けば1,000pipsですがそう上手くはいきませんね。
ユーロ/ドルのpipsを円に
ドル/円の通貨ペアの場合の計算は「1万通貨の1pipsは100円」と覚えておけば比較的簡単に円に換算することが可能です。しかし円がペアにならない場合の1pipsは円に換算するといくらになるのかすぐには分かりにくいですね。
ユーロ/ドルが1.2700から1.2800になれば0.01ドルが上がったことになりpipsにすれば100pipsです。ドルの1pips=0.0001ドルを覚えていれば答えは100pipsと分かりますね。でも1pips=0.0001ドルを忘れていても単純に1.2800-1.2700=100pipsとしても答えは同じです。つまり各通貨ペアの値動きの最小単位がpipsということです。
損益勘定はそのときのドルのレートが112円ならpipsは考えないようにして0.01ドルx112円x通貨単位で計算しましょう。1万通貨での取引なら0.01ドルx112円x1万通貨=1万1,200円となります。
為替レートの変動を示す単位が「pips」 |:初心者が勝つために勉強する!
参照元: FXトレード実践講座(2016年2月、著者調べ)
pipsとポイント
小数点以下が何桁かで決まる
ドル/円の通貨ペアで1pipsは0.01円(1銭)、ユーロ/ドルの通貨ペアなら1pipsは0.0001ドルのことで為替相場の最小値の単位です。
FX取引の売買はドル/円の場合次のように表示されています。
◆Bid(売り)/113.20
◆Ask(買い)/113.21
しかしFX業者によっては小数点以下の数字がもう1桁増え次のような表示をします。
◆Bid(売り)/113.206
◆Ask(買い)/113.213
小数点以下が2桁、つまり1pipsで取引できていたのがもう1桁増えることで0.1pipsの取引もできることになります。小数点以下が増えることできめ細かな動きが見えるためFXを行うにあたっては都合が良いとも言えますが、1pipsで慣れていたのに0.1pipsというのはなかなか馴染みにくいとも言えます。
そこで1pipsはそのまま変えず、0.1pipsを1ポイントとすれば良いのではないかという発想のようです。それをまとめると次のようになります。
◆ドル/円の通貨ペア
・1pips=1ポイント(2桁表示の場合)
:つまり1ポイント=0.01円
・1pips=0.1pips=1ポイント(3桁表示の場合)
:つまり1ポイント=0.001円
◆ユーロ/ドルの通貨ペア
・1pips=1ポイント(2桁表示の場合)
:つまり1ポイント=0.0001ドル
・1pips=0.1pips=1ポイント(3桁表示の場合)
:つまり1ポイント=0.00001ドル
なんか余計分かりにくくなった感じがしますね。
ピップス【Pips】| FX用語集 FX@外為比較
参照元:FX@外為比較(2016年2月、著者調べ)
MT4でのトレード
MT4とはFXの取引ツールのことで「メタトレーダー」といいます。チャートの便利さや機能の高さが売りでそのシステムのバージョンが4のものをMT4と言います。ところが為替レートがそれまで2桁や4桁が主流だったのが3桁や5桁と増える結果となってしまいました。
桁数が多いと読み間違いをしやすいのと円/ドルの通貨ペアでいえば112.56円という表示が112.569円と細かく表示されるようになり前項のようにpipsという単位は使用せずpoint(ポイント)を使うようになっています。
今まで慣れ親しんだpipsがpointとなり10pips=1pointと変換しないとわけが分からない結果となります。実際のトレーディングプログラムではポイントで売買することはないのですが、それでも「売り」と「買い」の桁が増えるというのは違和感がありますね。
FX会社を比較する|メタトレーダー(MT4)が使えるFX会社比較! - ザイFX!×メタトレーダー(MT4)
参照元:ザイFX!(2016年2月、著者調べ)
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pipsの利益
○/円の場合
ドル/円でもユーロ/円でも円をペア(クロス円という)の場合は1pipsが1銭ということで感覚的に染みついている感じがしますね。例えば1ドルを113円で買って114円で売れればpipsはいくらでしょうか?
1銭の100倍が1円ですから、100pipsですね。
取引単位が1万通貨なら利益はいくらでしょうか?
100pips(1円)x1万通貨=1万円が利益ということですね。もし1,000通貨での取引なら1,000円が利益です。では50pipsはいくらになるかといえば50銭とすぐに分かるのが円の良い点です。1万通貨を取引すれば50pips(50銭)x1万通貨=5,000円とすんなり答えを求めることができますね。
英国ポンド/ドルの場合
ところが円が絡んでこないと途端に計算ができなくなってしまいます。
イギリスポンドを1.387で買って1.400で売れたらpipsはいくらでしょうか?
◆(1.400-1.387)x100倍=13x100倍=130pips
ここは何も考えずに差額の値を100倍しましょう。1万通貨の取引なら、1ドル120円なら1pipsは1.2円なので利益は130pipsx1.2円x1万通貨=1万5,600円となります。
pipsの計算方法
取引する通貨のペアはドル/円、ユーロ/円など円が絡むものとユーロ/ドル、ポンド/ドルなど円が絡まない取引ペアがあります。FX取引に慣れない間は円を絡むペアを組んだ方がラクです。しかもpipsの下にpointが出てくるようになりましたので余計にややこしくなっています。
◆1pips=1銭
◆50pips=50銭
◆100pips=1円
基本的覚えなければならないのが以上の3つです。次に覚えなければならないのは取引通貨単位ですね。
◆100通貨単位
◆1,000通貨単位
◆1万通貨単位
これも基本的には3つ覚えておけばいいでしょう。
例えば1ドル120円で買って120円20銭で売ればpipsは20pips、120円65銭で売れれば65pipsです。もし121円で売れれば100pipsとなりますが、1円も動くということはあまりないことでしょう。
次は損益がいくらになるかを計算してみましょう。
◆損益=pips x 取引通貨単位
仮に20pipsの差が出て100通貨取引したとして計算します。20pips(20銭)x100=0.2円x100=20円ですね。1,000通貨取引すれば20pips(20銭)x1,000=0.2円x1,000=200円です。1万通貨取引すれば20pips(20銭)x1万=0.2円x1万=2,000円となります。
ただし最近は1pipsが1銭ではなく0.1銭としているFX業者も増えているようですから桁の間違いにはきを付けなければなりませんね。
◆1円値が動くと100pips
◆そのとき1万通貨取引していれば1万円の損益
数字に慣れるのが必要な世界です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。世界中のお金が「円」で取引されるのなら計算も簡単で良いですね。そんな日が来るのか分かりませんがpipsの単位は為替の最小単位であるというのは危険です。最近はpointという1桁低い単位が使われるようになっています。
1pips=1pointというFX業者もあれば10pips=1pointという業者もあります。pointを軸に考えると1point=0.1pipsです。1桁間違えると大きな損失を招くこともありますので特に注意したいですね。
公開日:
最終更新日:2017/01/26