特定株式投資信託の種類・特徴とは
株式、債券、投資信託など、お金の運用方法は様々です。しかし、特定株式投資信託というのは、なかなか特徴がつかみずらいですよね。配当控除は受けられるか?株式と同じで、益金不算入になるのか?そもそもこれは株なの?投資信託なの?ETFって?相場にある程度詳しい人でも、わからないことは多いと思います。今回はそんな特定株式投資信託の特徴をまとめてみました!
特定株式投資信託とは
特定株式投資信託とは、「投資信託が法人格を持って証券取引所に上場しているもの」をいいます。つまり、株式と同じように取引所で売ったり買ったりできるものなのです。
基本的に特定株式投資信託は、特定の株式指数に連動するものになっています。例えば、日経平均株価に連動するようなものの場合は、日経平均株価が上がったり下がったりするのとほぼ同じ動きで値が上がったり下がったりします。
指数は毎日のニュースでも終値など発表されますし、新聞などでも今後の見通しが説明されていたりして、比較的情報が仕入れやすいです。しかも、特定株式投資信託は指数に連動するために様々な株式に投資をしているので、分散投資をすることができ、個別株を買うよりもリスクを減らすことができます。
・個別株だと値動きがわかりづらい
・どの株を買ったらいいのかわからない
・下がってしまった時のリスクが心配
こんな人は、ひとまず特定株式投資信託を買ってみるのもいいかもしれません。
ちなみに、「ETF」というのは上場投資信託の通称で、株式指数に連動した投資をする「ETF」の税法上の名前が「特定株式投資信託」です。「ETF」という言葉には、金の値に連動するようなものや、債券の指数に連動するようなものも含まれてしまうので、ここでは「特定株式投資信託」という名称で統一します。
ETFの仕組み - 投資信託協会
参照元:一般社団法人投資信託協会(2016年5月時点、著者調べ)
インデックスファンドとの違い
投資信託にも、日経平均株価などの指数に連動するように運用するものがあります。これを一般的にインデックスファンドと言います。
インデックスファンドと特定株式投資信託は、運用先や運用方針などはさほど変わりません。では何が違うのでしょうか?
売っている場所が違う
投資信託は、販売会社によって扱っているものが異なり、販売会社独自の投資信託などもあります。なので、この投資信託が欲しい、と思っても、場所によっては購入できない場合もあります。
特定株式投資信託は上場されているので、どこの証券会社でも目当てのものを買うことができます。
特別分配金(元本払戻金)があるかどうか
投資信託では、定期的に分配金を受け取れるものがありますが、この分配金には特別分配金(元本払戻金)が含まれる場合があります。これは、運用で出た利益の中からではなく、自分が運用会社に預けた財産から支払われるもので、文字通り「元本」から「払戻」されるお金です。
特別分配金を受け取ることで、その後は元の運用資金より少ない資金で運用することになるので、利益が出しづらくなります。
特定株式投資信託にはこの特別分配金は存在しません。
他にも、買う時・売る時の手数料や、購入後の細かな部分での違いはありますが、それは個別の商品によって様々です。投資信託などは、売買時の手数料がかからないものなどもありますので、その辺も参考にして商品を選んでみましょう。
ETFと投資信託、株式の違い
参照元:日興アセットマネジメント(2016.6月現在、著者調べ)
日興アセットのETF(上場インデックスファンド)を紹介する(nikkoam)公式サイトです。20本以上の幅広いラインアップ。ETFの基本情報や、コラム、マーケット情報等充実したコンテンツ。基準価額、分配金情報、ポートフォリオも毎日更新。
どんな種類がある?
特定株式投資信託は株式指数に連動するものなので、指数の数だけ種類があります。日本の代表的な指数は、日経平均株価(日経225)、東証株価指数(TOPIX)などです。
これが外国籍のものともなると、種類はもっと増えます。アメリカのダウ平均株価(NYダウ)や、ブラジルのボベスパ指数など、国の数だけ指数があるといっても過言ではありません。
しかも様々な運用会社が特定株式投資信託を運用しているため、会社によっても種類は様々です。会社ごとに手数料や信託報酬が少しずつ違ったりするので、その辺も考慮して選びたいですね。
ETF銘柄一覧
参照元:日本取引所グループ(2016年6月時点、著者調べ)
日本取引所グループは、東京証券取引所及び大阪取引所などを傘下に持つアジアを代表する取引所グループです。マーケットニュースや上場会社、株式・ETF・REIT・先物・オプションなどの商品、規則及び自主規制に関する情報を提供します。
税制上の取り扱い
株式と投資信託の間のような位置付けの特別株式投資信託ですが、税金はどのように取られるのでしょうか
配当控除は受けられるか
株式で受け取った配当金や、投資信託で受け取った分配金には、配当控除を受けられるものがあります。配当控除とは、所得税で取られる税金の額から控除されるものです。
特定株式投資信託は、国内の指数(例:TOPIXや日経平均株価など)に連動するようなもので、なおかつ国内の法人が運用しているものであれば、配当控除を受けられます。
しかし、外国株価指数(例:NYダウなど) に連動するようなものや、外国法人が運営しているものは、配当控除を受けられません
No.1250 配当所得があるとき(配当控除)
参照元:国税庁HP(2016年6月時点、著者調べ)
益金不算入の割合
個人事業主など、会社を経営している人間にとっては、利益が課税対象になるかどうかは重要な問題ですね。
会社として特定株式投資信託の分配金を受け取った場合、益金不算入(課税されない収入とすること)の対象とすることがてきます。益金不算入になる割合は、得た利益の20%です。
ただし、配当控除の場合と同じように、外国株価指数に連動するようなものや、外国法人が運営しているものは、益金不算入とすることができません。
第68条の103《特定株式投資信託の収益の分配に係る受取配当等の益金不算入の特例》関係|法人税関係 措置法通達目次|国税庁
参照元:国税庁HP(2016年6月時点、著者調べ)
まとめ
自分にあった運用方法を選ぼう!
今回は少し仕組みの複雑な特定株式投資信託についてご説明しました。
運用をするにあたっては、リスクの分散や投資先の選別はもちろん、どのような資産がどのような特徴を備えているか把握することは非常に重要です。
特定株式投資信託は個別株とは違い、選び方次第では様々な国の様々な株式に少額で分散投資をすることができます。
投資先をじっくり調べて、自分の考えにあった運用を考えていきましょう。
公開日:
最終更新日:2017/01/26