株・FX・金投資の運用方法を分かりやすく解説
超低金利のいま、銀行にお金を預けていてもほとんど利息が付かないですよね。そんな中、「お金を運用してみたい!」と考えてる人も多いようです。でも、株やFXなど、お金を運用する商品って、分かりにくいですよね。このガイドでは、さまざまな運用商品を分かりやすく解説します。これを機に投資家デビューを検討するのも良いかも。
お金の運用を考える上でおさえたい「72の法則」
突然ですが皆さん、「72の法則」ってご存知ですか?
「72の法則」とは、「元本が2倍になるまで何年かかるか?」を簡単に求められるよう数式化したものです。つまり、「100万円を○%で運用すると、200万円になるまで△年かかる」ということを数式にしたのがこの法則です。この「72の法則」を数式で表すと...
・72 ÷ 金利(複利)= 元本が2倍になるまでの年数... となります。
では、金利0.2%の定期預金でお金を運用すると、元本が2倍になるまで何年かかるでしょうか?一緒に計算してみましょう。
・72 ÷ 0.2 = 360年
なんと、360年もかかってしまいます!これでは、お金を増やすなんて難しいですよね。ちなみに、バブル時代には、よく「郵便局に預けておくと10年で2倍になる」と言われていました。当時は、定期預金の金利が6%くらいありましたから2倍になるまでの年数は...
・72 ÷ 6 = 12年
10年とまではいかなくても、約12年で本当に2倍になったのです。うらやましい話ですよね。
この「72の法則」は、お金を運用していくにあたって、ぜひおさえておきたい法則です。「今の運用利回りでいったら○年で2倍になるな...」なんて気軽に計算できたら、お金の運用もきっと楽しくなるはずですよ。
超低金利のいま、お金を運用しないと目減りしてしまうかも?!
日本では長らく「超」がつくほどの低金利が続いています。銀行預金や国債など、いわゆる元本保証型商品では利息がほとんどつかないのも事実。
「しょうがないよな。お金が減るわけでもないし、まあ、いいか...」そう思っているあなた。果たして本当にそうなんでしょうか?
ご存知の通り、ここ数年の間にモノの値段はずいぶんと上がりました。そして、この傾向は当分の間続きそうです。ちなみに、2014年度の消費者物価指数(総合指数)は、前年度に比べて2.9%も上がっています。
モノの値段が上がるということは、言い換えるとお金の価値が下がるということです。もし、今後もモノの値段が上がり続けたら...そう、お金がどんどん減っていくことと同じなのです。
自分で積極的に増やしていかないと、お金って実質的に目減りしてしまうんですね。このような背景から、お金の運用に興味を持つ人が増えています。
でも、株やFXなど、お金を運用する商品って、なんだか難しいですよね。そこで、さまざまな運用商品を分かりやす〜く解説しちゃいます。ぜひ、最後までおつき合い下さいね。
統計局ホームページ/消費者物価指数(CPI) 全国 平成26年度(2014年度)平均
参照元:総務省統計局(2015年10月現在、筆者調べ)
お金を運用する商品って、どんな種類があるの?
ところで、一口に「お金を運用する」といっても、運用商品はたくさんあり、それぞれしくみやリスクの度合いは異なります。このガイドでは、私たちにもなじみが深く初心者でも気軽に始めやすい商品を6つ紹介します。
株式投資
運用と聞いて、真っ先に株式を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか?もはや、株式運用について説明する必要はないかもしれませんね。
「安い株を買って高く売る」...極論すれば、これが株式投資の基本です。しかし、この一見単純に見えることがどれほど奥深いか、経験した者でないと分かりません。そして、この奥深さが株式投資の魅力でもあります。
また、株式投資の魅力は株価の上がり下がりだけではありません。まず、企業は株主に対して自社の商品や割引券を配ったり、無料でサービスを提供したりします。いわゆる株主優待というやつですね。企業によっては、大変お得な株主優待を用意している場合もあり、株主優待目当てで投資する人もいます。
これに加え、企業は決算期ごとに利益の一部を配当として株主に還元します。配当額はそれぞれの企業や業績によって異なりますが、高い企業だと投資額の3%〜5%なんてこともあります。銀行預金の金利がとっても低い現在、配当に魅力を感じて株式に投資する人も増えているそうです。
ちなみに、購入する銘柄にもよりますが、株式投資は5万円程度から始められます。お金の運用に興味のある方は少額の株式投資から始めてみるとよいかもしれません。
FX
この数年の間に、資産運用商品として一気にメジャーとなったFX。FXとは、外国為替証拠金取引(Foreign Exchange)の略称です。
FXとは、一言で言えば外国の通貨を売買して儲ける取引です。ただし、通貨現物の売買や外貨預金とは異なり、次のようなメリットがあります。
・自己資金を担保(証拠金)として預けることで、資金の最大25倍まで取引できます。
・売買益以外にも投資する2国間の金利差をスワップポイントとして受け取ることができます。例えば、日本よりも3%金利が高い国の通貨を保有した場合、年間で投資額の3%を受け取ることができます。
ただし、FXは自己資金額以上の取引ができるため、比較的リスクも高い商品と言えます。初めのうちは、レバレッジ(自己資金の何倍まで取引できるか)を低めに設定する、投資金額を少なくするなど、慎重に取引することをおすすめします。
また、FX会社の多くは仮想通貨を使ったデモ取引を提供しています。まずは、デモ取引でコツをつかんでから実戦デビューするのも良いでしょう。
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外貨預金
外貨預金とは、米ドルなど外国の通貨で預金する商品です。例えば、1米ドルが120円の時に1万通貨で外貨預金を作成すると必要額は...
・120円 × 10,000通貨 = 1,200,000円
この外貨預金を1米ドルが130円の時、日本円に換金すると...
・130円 × 10,000通貨 = 1,300,000円
100,000円の利益が出ます。
これに加え、外貨預金は対象国の金利が反映されるため、超低金利の円預金よりも金利が高い傾向にあります。(各国の金利情勢によって状況が変わる可能性もあります)
ただし、外貨預金は為替レートの変動によって損失(為替差損)が生じる場合があります。このため、為替差損が生じる円高の状況では日本円に換金せず、外貨のまま資産を保有する必要があります。したがって、すぐには使わない余裕資金を運用するのに適した金融商品と言えます。
また、外貨預金は預入時と換金時にそれぞれ手数料がかかりますので、手数料分以上円安に振れないと利益(為替差益)が出ない点にも注意が必要です。ちなみに、この手数料は各銀行間でかなり差があります。ネット銀行は手数料が安く設定されている場合が多いので、ぜひチェックしてみましょう。
なお、外貨預金で人気が高い通貨は何と言っても米ドルです。最近では、より金利が高いオーストラリアドルなども人気があるようです。
外貨預金はネット銀行だけでなく一般の銀行でも取り扱ってますので、窓口で気軽に相談してみるのも良さそうですね。
投資信託
銀行や証券会社など、幅広い金融機関で取り扱っている投資信託。投資信託とは、多数の投資家から預かったお金をまとめてファンドを作り、株式や債券(国債や社債)などで運用する商品です。販売するのは銀行や証券会社ですが、運用は専門の会社が行います。
個人で運用する場合にくらべ、資金量が豊富なことから多数の銘柄に分散投資することができ、リスクを小さくできるのが特長です。また、運用をプロに任せられるのも大きなメリットです。
株式投資やFXが自分で短期的な売買を行って利益を得るのに対し、投資信託はある程度の期間をとってプロにお金を運用してもらうようなイメージと言えば分かりやすいでしょうか?
また、近年では毎月分配型と呼ばれる投資信託が人気を集めています。これは毎月発生した利益の一部を分配金として投資家に配当するタイプの投資信託です。分配金は投資している株式の配当金や債券の利息などから支払われるので比較的安定した収入が得られます。(ただし、分配金は保証されているものではありません)このため、毎月分配型投資信託は退職金を手にしたシルバー世代や手持ちの資産から収入を得たい人に向いています。
ちなみに、投資信託は積み立て形式で購入することも可能です。「将来に向けて資産を作りたい」という方にも最適な商品と言えるでしょう。
個人年金保険
個人年金保険とは、保険会社が取り扱う私的な年金商品のことです。毎月一定額を積み立てるか、まとまったお金を預けて保険会社に運用を任せます。本来は老後の資金として活用する商品ですが、中途解約したり、満期金を一括で受け取ることができるため、運用商品として利用することもできます。
尚、個人年金保険は大きく分けて次の種類に分けられます。
・定額年金保険(予め定められた金利で運用します。大きく増やすのは難しいですが、元本が保証されています。)
・変額年金保険(投資信託によって運用し、運用成果によって受取額が変わります。元本割れの可能性がある商品ですが、保険会社によっては元本を保証している場合もあります。)
・外貨建年金保険(米ドルなど、外貨建てで運用します。主に高金利の外国債で運用するため、外貨建てで着実に資産を増やせます。ただし、日本円に戻す際の為替レートによっては元本割れする可能性もあります。)
本来、保険会社だけが取り扱ってきた個人年金保険ですが、現在では銀行でも取り扱っており、身近な商品になりました。ほとんどの商品が10年程度の運用期間をとっているため、長い目で資産を増やしたい人に向いています。
金投資
世界中で取引され、最も安全な資産と言われる金。その金を売買して利益を得るのが金投資です。金は他の金融資産とは異なり利息や配当金を生みませんが、景気や社会情勢によるリスクから資産を守る働きがあります。
例えば、インフレ(物価上昇)が続いた場合、これまで100円で買えた物が100円では買えなくなります。つまり、現金や預金といった資産は実質的に目減りするということです。これに対して、金はインフレ時に価格が上昇する傾向があるため、物価上昇分を相殺してくれます。
また、もし日本で信用不安が起こった場合、通貨である円の価値は減少し、やはり現金や預金など円建ての資産は目減りしてしまいます。これに対して、金は世界共通の資産ですから、価値が減少することはありません。
また、株式投資やFX投資などを行っている方は、同時に金も保有することで金融資産全体のリスクを低下させることができます。
尚、金はまとまった資金で購入するだけでなく、毎月一定額を積立形式で購入することもできます。積立てた金は売却するだけでなく、金地金や金貨として引き出すことも可能です。
リスクについて理解しよう
ところで、お金の運用にはリスクがつきものです。一般的に、リスクとは元本割れして資産が減ってしまう「価格変動リスク」を指す場合が多いようです。しかし、リスクは他にもあります。
例えば、海外の株式で資産を運用したとします。その国の社会情勢や経済状態が悪化して、資産価値が減少することもあります。(カントリーリスク)
また、国債や社債など債券に投資した場合、債券の発行体(国や企業)の財政状態が悪化して、利息や元本の支払いが滞ることもあります。(信用リスク)
他にもリスクはさまざまあるのですが、運用する商品によって、どんなリスクがあるのか、どの程度のリスクがあるのか異なります。まずは商品説明を受けて、リスク内容を把握するのが重要です。
リスクを避けるには?
それでは、資産運用においてリスクを避ける、もしくは軽くするにはどうすれば良いのでしょうか?
海外の運用に関することわざに「卵を一つのカゴに盛るな」というものがあります。これは、大事な卵(資産)を一つのカゴに盛った場合、そのカゴを落としてしまったら全ての卵がダメになってしまうということです。
つまり、資産運用は一つの商品で行わずに、複数の商品で行ったほうがリスクを避けられるということです。例えば、株式投資と金投資、外貨預金を組み合わせるなど、可能な限り資産を分散させることが重要です。
また、持っているお金をすべて運用に回すのは非常に危険です。自分で「お金の何パーセントまで運用に回し、あとは預金で保有する」など、ルールを作っておいたほうが良いでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?お金の運用といっても、その方法はさまざまです。そして運用する目的も人それぞれです。まずは、今回紹介した6つの商品に的をしぼって投資家デビューするのも良いかも知れませんね。
最後になりますが、運用をはじめとしたお金にまつわる知識やスキルは一生涯使えます。ぜひ今のうちに身につけたいものですね。
※本記事は一般的な情報を記したものであり、金融商品の勧誘を目的としたものではありません。また、本記事記載内容によって生じた結果について、一切責任を負うものではありません。したがって、金融商品の契約にあたっては十分な商品説明を受け、内容を理解した上、自己判断でお申し込み下さい。
公開日:
最終更新日:2017/01/24